メニュー
最新情報 rss

2018年12月30日 技術情報

アルミ溶接について

アルミTIG溶接製品

アルミ溶接の種類にはアルミニウムのTIG溶接アルミニウムのMIG溶接があります。

アルミニウムのTIG溶接は交流溶接で行います。鉄やステンレスは直流TIG溶接では電極側(-)母材側(+)と常時一定で溶接します。アルミTIG溶接では電極と母材が(+)(-)と交互に変わる交流TIG溶接で行います。アルミの表面は酸化皮膜で覆われています、この酸化皮膜を除去しないと溶接を上手くできません。酸化皮膜を除去するときに母材側(-)としてクリーニング作用をします。当然、電極側は(+)になっていますので、電極は加熱しています。加熱すると電極は消耗してしまいますので、大電流を流すために、再度(-)にして安定的なアークを保ちます。
このように、(+)(-)を繰り返しを行われて、酸化皮膜除去と溶接アークを安定させてアルミTIG 交流溶接は行います。アルミニウムは融点が鉄やステンレスに比べて非常に低いです。
アルミニウムは660℃が融点ですので熱の伝わりが非常に良いので溶接開始と溶接中の電流や溶接速度を変えながら溶接を行います。溶接中は溶融プールの大きさを見ながら調整して安定した溶接ビートを形成しながら溶接します。近年では、溶接機にパルス機能が付いてるのが支流になっていますので、高電流と低電流を交互に流すことができます。ビートの形成は高電流で母材を溶かし、低電流で溶融プールを冷やし凝固させ、溶け落ちをさけながら深い溶け込みをしながら溶接することができます。アルミTIG溶接は薄板溶接にメリットがあります。溶接後のビートが安定しているので美観が要求される製品に適しています。

アルミニウムのMIG溶接はシールドガスをアルゴンガスを使用するのでMIG溶接と呼びます。溶接溶け込みはアルミTIG溶接より深い溶け込みが得られます。アルミMIG溶接は溶接作業に慣れれば、出来る作業ですが綺麗なビートや母材の安定した溶け込みを要求される製品には熟練した技術が求められます。
アルミMIG溶接でAl-Mg系溶接ワイヤ(A5183WY,A5356WY)で溶接すると溶接ビート付近にスマットよばれる微細な金属酸化物が付着します。このスマットと呼ばれる酸化物はMg,Alが検出されるそうです。
スマットは黒色、灰黒色していますので美観的に商品価値やイメージが悪くなるのでウエスやワイヤーブラシ等で取り除きます。
アルミMIG半自動溶接の多層盛溶接では各パスの溶接ごとにスマットを除去しながら溶接を施さないと溶接欠陥が発生しやすいので除去しながら溶接します。
スマットは微細粒なので塗装やアルマイトなどの溶接後の表面処理をするときは十分にスマットを取り除く必要があります。アルミMIG半自動溶接はトーチの傾きで溶接溶け込みにはっきりと差がでます。製品の母材板厚や溶接後の次工程を把握して溶接にあたる必要があります。

アルミTIG溶接は薄板向きの美観を要求される製品に適した溶接方法です。

アルミMIG溶接は中板から極厚板の溶け込みや溶接強度が要求される製品に適して溶接方法です。